ネバーエディングパッション
ネウロ(警察)とか日常とか時々脱線気味。
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クリスマスイブだ。
今日は休日だから、学校が休みだということは知っている。
もちろん学校の図書館も閉まっている。
そんなことは知っているはずなのに来てしまったのは。
「…………」
誰もいない図書館の前で、鳴らない携帯電話を見つめる。
メモリを開くが、そんなことをしたところでどうなるものでもない。
今会いたい人物の連絡先を私は知らない。
この携帯電話に登録されているのは、その人物の名前と誕生日だけだ。
画面に表示された名前を何度も、口に出さずに読んだ。
図書館の屋上を見つめる。ツタのような植物が風に吹かれて揺れていて寒そうだった。
植物と鳥の本をよく読んでいた彼なら、あのツタのような植物の名前も、きっと知っていることだろう。
歩いている時には熱かった、うなじと鼻の先が冷たくなってきた。
クスン、と鼻をすする。
「…………はは。何やってんだ。」
なんだか笑えてきてしまった。
私はわざわざこんな時にこんなところまで来て何をしているのか、と。
何を焦ってるんだ、と。
「うるさい」
私は声に出して私を叱って、踵を返し、帰路に着くことに決めた。
これから何気なく寄る花屋で、やけに植物に詳しい彼がバイトをしているなんて知りもせずに。
(おわり)
かれらはいまどきの中高生よりも遅れた恋をしていたと思う、大学生の笛吹と筑紫。
今日は休日だから、学校が休みだということは知っている。
もちろん学校の図書館も閉まっている。
そんなことは知っているはずなのに来てしまったのは。
「…………」
誰もいない図書館の前で、鳴らない携帯電話を見つめる。
メモリを開くが、そんなことをしたところでどうなるものでもない。
今会いたい人物の連絡先を私は知らない。
この携帯電話に登録されているのは、その人物の名前と誕生日だけだ。
画面に表示された名前を何度も、口に出さずに読んだ。
図書館の屋上を見つめる。ツタのような植物が風に吹かれて揺れていて寒そうだった。
植物と鳥の本をよく読んでいた彼なら、あのツタのような植物の名前も、きっと知っていることだろう。
歩いている時には熱かった、うなじと鼻の先が冷たくなってきた。
クスン、と鼻をすする。
「…………はは。何やってんだ。」
なんだか笑えてきてしまった。
私はわざわざこんな時にこんなところまで来て何をしているのか、と。
何を焦ってるんだ、と。
「うるさい」
私は声に出して私を叱って、踵を返し、帰路に着くことに決めた。
これから何気なく寄る花屋で、やけに植物に詳しい彼がバイトをしているなんて知りもせずに。
(おわり)
かれらはいまどきの中高生よりも遅れた恋をしていたと思う、大学生の笛吹と筑紫。
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